カバー工法・重ね張り
外壁のカバー工法とは、今ある外壁材を取り除かず、新しい外壁材を重ねて貼るリフォームの手法です。重ね張り(かさねばり)とも言います。
重ね張りによって、真新しい外観を実現しつつ、防水性を回復させるなど、住宅を保護します。新しいデザインを採用することも可能です。
外壁のリフォーム工法は、カバー工法・張り替え・塗り替えの3つがありますが、その中で最も費用がかかる張り替えに比べ、重ね張りは安く抑えられます。
既存の外壁材を取り除いて、新しい外壁材を取り付ける張り替えと違い、重ね張りは解体費や廃材処分費がかからないからです。30坪の一般的なお家の場合、張り替え費用はおおよそ200万円なのに対し、重ね張り費用はおおよそ160万円程度です(ともに足場・養生・洗浄にかかる費用等は含みません)。
最も費用の安い塗り替えですが、塗り替えによって美しさや防水性を保ってきた外壁材でも、寿命は30年ほどです(外壁材の種類によります)。寿命を迎えた場合、張り替えかカバー工法が必要になります。
外壁が痛みすぎている場合、カバー工法ではなく、張り替えが必要になりますが、それ以外の場合は、その費用の安さに加え、以下の理由でカバー工法が採用されることが多くなっています。
・解体や廃材処分の手間を省けるので工事期間も短く済む
・外壁を重ね合わせることで断熱性が高まり、冷暖房費の削減にもつながる
・外壁を重ね合わせることで防音性が高まり、外部からの音を軽減できる
・手軽に外観のイメージを変えることができる
・色の変更しかできない塗装に対し、カバー工法はレンガ調から石積み風に変更するなど、外観を一新できる
カバー工法のデメリットとしては、既存の外壁材に新しい外壁材を重ねるので、重量が嵩み、耐震性が落ちることです。そこで、ガルバリウム鋼板など軽量の金属系の外壁材が多く採用
されています。