シーリング・コーキング

シーリングとは、建物の防水性や機密性を保持するために、継ぎ目(目地)や隙間などに、合成樹脂や合成ゴム製のペーストを充填することです。コーキングとも呼ばれます。
▼ シーリング箇所
シーリング工事は、サイディングボードの目地(継ぎ目)に対してだけでなく、モルタルや漆喰などの塗り壁に生じたクラック(ヒビ割れ)の補修や、ガラス冊子・窓枠・浴室など雨/水周りに対しても施されます。
▼ シーリングに用いる充填材
シーリングに用いる充填材は、シリコンやポリウレタンなどからできている樹脂で、固まると隙間で線上に埋まっているゴムのような柔らかいものです。水や空気を通さないため、隙間に注入されることで密閉状態を作ることができます。この充填材は、コーキング材・コーキング剤・シーリング材・シーリング剤・シーラント・シーラー*・シール剤
と呼ばれています。
*「シーラー」には、「シーリングに用いる充填材」を表すとともに、「下塗り塗料」という別の意味もあります。
▼ コーキング材を「打つ」
ちなみに、シーリング工事では、コーキング材を「塗る」のはではなく、「打つ」と表現されます。実際に(写真のような)「コーキングガン」と呼ばれる銃のような道具でコーキングが「打たれ」ます。

▼ シーリング劣化
一般的なシーリング材を使った場合、10年も経つと経年劣化します。シーリング部分が硬化し、亀裂・ヒビ割れし、剥がれ・隙間が生じ、遂には完全に剥離します。そのヒビや隙間などから雨水が壁の中に入り込み、劣化を加速させる可能性があります。
▼ 塗装とシーリング
塗料とシーリング材の耐久年数が違うと、片方はまだ元気なのに、もう片方は劣化が進んでいるという状況が生まれるため、セットで考える必要があるでしょう。
塗装より先にシーリング工事を行うことを先打ち
、塗装より後にシーリング工事を行うことを後打ち
と呼びます。どちらで進めるかは外壁の状況や塗装業者のポリシーなどによります。
▼ 2種類のシーリング工事
サイディング壁のメンテナンス工事を行う場合、シーリングの劣化状況に応じて、2種類のシーリング工事が施されます。1つが打ち替え
で、現在打ち込んであるコーキング材を撤去してから新しいコーキング剤を打つ工事です。新品になるので高い性能を取り戻せます。ただし、撤去作業があるため工期が長くなり、費用も高くなります。もう1つが打ち増し
で、現在打ち込んであるコーキング材の上から新しいコーキング剤を打つ工事です。撤去する手間などが省かれることから費用は安くなりますが、劣化が早かったり、すぐに剥がれてしまう可能性があります。
打ち替えの場合、シーリング工事は以下のように進みます。①古いコーキング剤を切り取り、除去します。②汚れを洗浄します。③工事する部分以外に溶剤が付着しないように養生テープを貼ります。④しっかりとコーキング剤が接着するように下塗り材(プライマー)を塗布します。⑤コーキング剤を打ちます(最後はヘラで押して密着させます)。⑥養生テープを剥がして乾燥させます。
▼ コーキング剤の種類・分類
コーキング剤には以下のような種類・分類があります。
・単体で使える1液型(1成分形)
と、硬化剤など混ぜて使う2液型(2成分形)
・伸縮に対する追随性に優れた低モジュラス
と、伸縮に弱い高モジュラス
・汚染・ブリード現象を防げるノンブリードタイプ
など