木部

木部とは、建物の中で木でできている部分です。軒天、破風板、鼻隠し、窓枠、戸袋、枕木、ウッドデッキ、瓦屋根（の木部）などに木材が使われていることが多くなっています。外壁材自体に木材を使用した木質系サイディングボード住宅や、ほぼ木材で作られたログハウスなどもあります。

外壁やウッドデッキに木材が使われた場合、ぬくもりのあるお家になったり、意匠性が高いお家になるでしょう。中でも天然木・無垢材は独自の風合いを持っており、高価ですが、人気のある建築材です。

木部は一般的な外壁と比べて非常に痛みやすいもので、耐久性が低いとされています。同じ塗料で同じ塗り方をした場合、外壁よりも木部の方が先に痛んできます。塗膜が弱った状態で再塗装せずに放置してしまうと、紫外線や雨、風、空気中のゴミなどにより、比較的早く、汚れたり、劣化・腐食したりしてしまいます。保護機能が10年と言われる塗料を使っても、木部の場合は3～5年しか維持できないこともあります。

木部は生き物です。つまり、木材は呼吸をしていて、膨張したり、収縮したりしています。この関係で、塗膜が伸びて剥がれたり、塗膜にひび割れが生じたりしてしまいがちです。このことが木材の塗装寿命を短くしている大きな原因です。

痛みやすい木部には、専用の塗料を使った塗り替えなど、定期的にメンテナンスを施して耐候性を保てるようにしましょう。

木部の一般的なメンテナンスは、塗り替えの場合、まず下地調整から始まります。弱くなっている塗膜を削り落とし、研磨（ケレン）して、その後に行う塗装の密着性を高めます。その上で、木部専用の塗料を用いて下塗り・中塗り・上塗り（3回塗り）します。木部専用塗料とは木材保護塗料のことで、防腐剤が入り木目も残る「キシラデコール」や、既存の木目を完全に隠す「ガードラック アクア」などが挙げられます。