塗り壁

塗り壁（ぬりかべ）とは、塗って仕上げる外壁材のことです。外壁材は、工場で作られたパネルを貼り付けるサイディングと、この塗り壁に大別できます。天然素材や人工樹脂製の外壁材を左官職人が塗って仕上げていく「湿式工法」で作られる外壁材です。

安価で工期も短く、技術的な難易度も高くないサイディング壁の普及に伴い、塗り壁を採用した住宅の割合は大幅に減少しましたが、そのユニークな意匠性、風合いなどから、人気のある外壁材です。

塗り壁の種類として、モルタル壁、土壁、漆喰壁、珪藻土壁、ジョリパットなどが挙げられます。

塗り壁は多くの場合、モルタルを塗って作った下地（モルタル壁）の上に、（漆喰や珪藻土など）それぞれを塗装していきます。（今は少なくなりましたが）土壁の場合は、竹を編んで作った壁に土と刻んだ藁を混ぜ合わせたものを塗り込んで固めていき、最後に漆喰を塗って仕上げます。

塗り壁のメリットは、①趣ある味わいが出せ、意匠性に優れていることです。（あらかじめ製品化された壁材を並べるのではなく、）手仕事で仕上げていく「完全オーダーメイド」の外壁材なので、自由な模様、デザインを表現することができます。また、②つなぎ目なく一体感のある美しい外壁に仕上げられます。

塗り壁のデメリットは、①施工費が高いことです。職人の手間もかかりますし、乾かすのに時間もかかります。また、②メンテナンスも費用がかかりがちです。左官職人の技術にもよりますが、塗り壁の素材には伸縮性がないものが多いため、経年劣化によるヒビ割れ（クラック）、色褪せ、汚れなどを避けられません。定期的なメンテナンスがサイディング壁以上に求められます。ヒビ割れや色あせしにくいジョリパットが注目されています。