粘土系の屋根とは、粘土を焼いて形成された瓦の屋根材のことです。
古くから日本建築に使用されていて、日本家屋にはマッチし、日本の気温・風土にも合っています。歴史のある寺院の多くに採用されるなど、日本の伝統的な建築物には欠かせない屋根材です。日本瓦・和瓦。瓦屋根。
瓦は長持ちです。塗り替えが必要のないくらい耐久性・寿命に優れ、色落ちもほとんどなく、断熱性、遮音性にも優れています。破損しても1枚単位で交換できることもメリットです。
一方で、屋根材としては値段が高いことと、とても重量があることが、デメリットとしてあげられます。重さゆえに衝撃・地震の揺れに弱く、耐震性を十分考える必要があるでしょう。特に、昭和56年の建築基準法の大改正以前に建てられた瓦屋根の住宅は、大きな揺れがあると、その重さに耐えられないリスクが高くなります。そのため、瓦屋根を軽い金属系の屋根に葺き替える工事が各地で進んでおり、この耐震工事に対して補助金を支給する自治体も多くなっています。
現在は、以前に比べれば軽量化された瓦屋根材や、都市の住宅・建築物にもマッチする新しいモダンなデザイン瓦屋根も登場しています。
ヒビ*・ズレ・コケなどが発生していた場合、放置すると雨水が内部に侵入したり、瓦が落下したりするおそれもあるので、定期的な点検が必要です。
*瓦の表面に細かいヒビが入った現象を貫入(かんにゅう)と言います。
粘土系の屋根は、一般的に塗り替えの必要がなく、30年程度はリフォームの必要がありません。ただし、痛みが進んだ場合には、重量が重いため、屋根を重ねるカバー工法はできず、本格的な葺き替えが必要になるでしょう。
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