塗料

塗料(とりょう)とは、外観を美しくするとともに対象物の保護や機能を付与する役割を持った外壁や屋根の表面に塗り付ける材料のことです。
▼ 塗料の成分
塗料は、顔料、樹脂、添加剤、溶剤で構成されています。配分量の違いで価格や耐久性が変化します。一般的に樹脂量が多い塗料ほど高価になり、耐久性も向上します。
1.顔料
:塗料に色などを付ける
2.樹脂
:外壁や顔料を保護して美観や機能を守る
3.添加剤
:塗料の機能を向上させる補助薬品
4.溶剤
:塗装しやすくするために塗料を希釈する液体
▼ 塗料の種類
アクリル、ウレタン、シリコン、フッ素といくつかの樹脂の種類があります。耐久性の高い樹脂を塗料に混ぜることで長い間、塗料の効果を保つことができます。他にも、無機物を混ぜて無機塗料にしたり、断熱となる元を混ぜて断熱塗料にしたりします。
1.アクリル塗料
:アクリル系の樹脂を主成分とした塗料。外壁塗装時の耐用年数は5~7年。
2.ウレタン塗料
:ウレタン系の樹脂を主成分とした塗料。耐用年数は7~11年。
3.シリコン塗料
:シリコン系の樹脂を主成分とした塗料。耐用年数は10~15年。
4.フッ素塗料
:フッ素系の樹脂を主成分とした塗料。耐用年数は15~20年。
5.断熱/遮熱塗料
:光を反射して熱を断つ効果が高い塗料が断熱塗料。熱伝導を遮断する効果が高い塗料が遮熱塗料。耐用年数は15~20年。日進産業の「ガイナ」が有名。
6.無機塗料
:塗料の原料に無機物を配合している塗料。耐用年数は20年程度。
7.光触媒塗料
:空気浄化効果などがある自然環境にも良い塗料。耐用年数は15~20年。TOTOの「ハイドロテクト」が有名でしたが2017年に生産を停止しました。
8.弾性塗料
:高い伸縮性・弾力性を持つ、伸びる塗料。ひび割れに強い。耐用年数は15年~。
9.ラジカル塗料
:樹脂や顔料を劣化させてしまうラジカルを制御する機能を持った塗料。耐用年数は約15年。
たとえば同じシリコン塗料であったとしても、樹脂の含有量が違ったり、希釈率が違ったり、水性か油性か、1液型か2液型かなどによって、その性能に差が生じます。
▼ 水性塗料/油性塗料
水性塗料
とは、溶剤に水を使った塗料です。油性塗料
とは、溶剤にシンナーを使った塗料です。油性塗料の方が、値段は高くなりますが、耐久性や防汚性で勝ります。
▼ 1液型/2液型
塗料には、塗料をそのまま使う1液型
と、硬化剤を混ぜて使う2液型があります。2液型
の方が耐久性が高くなります(値段も高くなります)。
▼ 3回塗り
塗料を外壁や屋根に塗布する時、3回塗り
をするのが基本です。3回塗りが標準とされている塗料で3回塗りをしなかった場合、いくら良い塗料を使ってもその性能が発揮されることはないでしょう。
1.下塗り
:塗装を長持ちさせ、きれいに仕上げる目的で行われます。専用の下塗り材(下塗り塗料)を使われます。下地と塗料とを密着させる接着剤のような役割を果たします。
2.中塗り
:このページで紹介されているようなウレタン、シリコン、フッ素といった塗料は、中塗り・上塗りに用いられます。
3.上塗り
:中塗りで用いた塗料を再度重ね塗りします。重ね塗りすることで、耐久性が高くムラのない均一な塗膜が完成します。
中には3回塗りではない塗料もあります。また、木部や鉄部など、細部の塗装に関しては2回塗りが基本です。
▼ 艶あり/艶なし塗料
塗料の艶(つや)によって、艶なし、3分艶、5分艶、7分艶、艶ありなどの分け方があります。艶あり塗料以外は、艶消し剤(添加剤)が入っていることで、艶が調整され、落ち着いた雰囲気が演出されるのですが、一般的には耐久性が落ちます。
▼ 塗料とペンキの違い
ペンキは塗料と同義語のように使われることがありますが、厳密に言いますと、ペンキと塗料は成分が異なります。
ペンキは、植物油(ボイル油)で稀釈したオイルペイント(OP)と、アルキッド樹脂を使用した合成樹脂調合ペイント(SOP)のことを言います。ペンキは一般的に安価で施工性が良いのが特長です。SOPは鉄部や木部の塗装に使われています。ただ、耐候性や乾きが遅いことから外壁や屋根の塗装にペンキはほとんど使用されていません。